Denmark, Copenhagen
北欧デンマーク幼稚園研修プログラム
近野かおりさん(大学生)
2018年8月
森の幼稚園研修
初日は少し照れた様子の子がいたり、言葉が分からなくてもどんどん話しかけてくれる子がいたりと様々でしたが、一週間でほとんどの子と交流できたと思います。子供たちが表現上手なおかげで、彼らが何をしてほしいのか、次に何をやりたいのかなどは、デンマーク語でお願いされても対応することができました。
園では個々人が自由に遊ぶ時間ばかりでしたので、ブランコをしている子がいれば、木登りをしている子、木の枝を拾っている子など様々でしたが、全員が先生の目の届かない所までは遊びに行かないこと、ケガをしたり虫に刺されたりした時はすぐ先生に知らせに行くなどして、自由に過ごすなり最低限のルールを守って遊んでいました。先生方も耳で音を聞いたり、目で見たりして、誰がどこで何をしているのか常に気を配っているそうです。
写真:森の中で遊んでいるところ
子供たちはある日は森へ出かけ、またある日は園の庭で水浴びをし、またある日は近くの博物館まで遠足に行き、そこでお芝居を見たりなど、様々な体験をしていました。水浴びの日はとても暑い日で、先生方が当日に、「森に行くのは暑すぎるから水浴びをしよう」などと臨機応変にその日の遊び考えている姿も印象的でした。
デンマーク語が分かれば子供同士の会話の内容を知れただろうし、目の前で言い争いが起きてしまったことがあり、その時の対応が何もできなかったことが心残りです。最終日には先生と子供たちが作った木でできたハンガーフックや子供たちの絵などをプレゼントして頂き、とても嬉しかったです。
娘さんとはお互いのSNSを見たり、幼い頃の話をするなどの会話だけでなく、デンマークの教育制度や社会福祉について、また彼女が思うデンマークのあまり良くない点など、その国に住んでいる人ならではの話を聞くことができました。
お父さんとは朝食を食べながら一日の予定を伝えあったり、散歩しながら家の近くの小学校や幼稚園を説明してくれたり、仕事で忙しい中でも時間を作って関わって下さいました。また、娘さんからの誕生日プレゼントとして2人でアーティストのライブを観に行くなど仲睦まじい姿を見ることができました。
お母さんはいつも明るく、私の言っていることを理解して下さいました。料理を一緒にした時はいつもわかりやすく教えてくれたり、美味しいデンマークの食品ブランドを教えてくれたり、洗濯物について気にかけてくれたり、とにかくとても優しかったです。2人で家の近くのベリーを辺りが暗くなるまで摘んで、お土産にとそのベリーでジャムを作って持たせてくれたのは私の一番の旅の宝物です。
ホームステイ
家族全員が英語が達者であったおかげで、一週間とても楽しく、何も心配することなく過ごすことができました。私があまり観光することを考えていなかったからか、ファミリーは様々なところへ連れて行ってくれました。ある日は娘さんとその友達とコペンハーゲンを回ったり、またある日は息子さんのお嫁さんの誕生日パーティーに呼んでくださりました。
食事の時はその時のメニューをどこの国のものなのか、どうやって作るのかなどを教えてくれたり、暑すぎる日には異常気象について話したり、パーティーの時はデンマーク伝統の歌の歌詞を教えてくれたり、お庭でくつろぎながら将来の話をしたり。。。話しきれないほど様々な会話ができました。
また、日本にルーツがあるご家庭でしたので、日本からのお土産を喜んでくれたり、一緒に日本の古い映画を見たり、日本茶を楽しんだり、お互いの文化を楽しむことができました。
観光
コペンハーゲン市内:ホームステイ先の娘さんやそのお友達と回りました。地元の人が行くようなカフェであったり、観光地ならその場所の説明をしてくれたりなど、個人で回っては知ることのできない話をたくさん聞けました。
フレデリスクボー城:コペンハーゲン市内から鉄道一本で片道1時間もかからず行けます。駅からも近い場所にあり、途中の街歩きも楽しかったです。お城は絢爛豪華、庭も美しく入場料も比較的低めでした。
印象に残ったこと
デンマークの教育制度は自由で振り幅の大きい箇所が沢山あり、個々人の進行に合わせて様々な選択肢があるということを知りました。
「選択肢が沢山ある」ということは、自分で考え自分で決める力が必要であり、その為、(そういった力は小さい頃から身に着けさせる上でも)今回訪問した幼稚園のような「自らが考え、行動していく」環境に早い頃から慣れる体制が整っているのだと思いました。
また、全員が同じことをする中では必ず遅れたり極端に外れたりする子も出てしまいますが、そういった子を集団の平均に戻すのではなく、個別に得意な部分を応援するような周囲の支援も豊富にあることを知りました。
写真:デンマークの夕日